Samba 2.0新機能紹介

ここでは、Sambaのバージョン1.9.18に対し、バージョン2.0で追加になったり、変更になったりした機能を紹介します。
Samba機能詳細も参照ください。)

主な新機能

注意すべき変更点

SambaのPDC(プライマリ・ドメイン・コントロール)機能について

従来は、Windows95/98のPDC(プライマリ・ドメイン・コントローラ)にしかなれませんでしたが、WindowsNTクライアントに対するドメイン・ログオン機能もSamba2.0には含まれています。

しかし、この機能はまだバグがいくつか残っているため、上の主な機能にまだあげられていません。

一般ユーザの使用は、まだ避けた方がいいでしょう。

PDC機能の開発に協力したい方は、以下にあるSamba-NTDOM メーリング・リストに参加しましょう。

http://samba.org/listproc/ 

詳細について、以下も参照ください。
http://samba.org/cvs.html 


SambaサーバをNTドメインのメンバー・サーバにする方法

  1. Sambaのデーモンをすべて停止させます。
     
  2. WindowsNTのサーバー・マネージャー(SRVMGR.EXE)を起動し、Sambaマシンをドメインに追加します。
    メニューの「コンピュータ」−「ドメインに追加」をクリックし、「WindowsNTワークステーションまたはサーバ」で追加します。
     
  3. Sambaサーバ上で以下を実行し、NTドメインのメンバーに追加します。(UNIXのrootユーザで行います

    /usr/local/samba/bin/smbpasswd -j DOM -r DOMPDC

    ここで、DOMはNTドメイン名、DOMPDCはNTのプライマリ・ドメイン・サーバ名です。
     
  4. /usr/local/samba/lib/smb.confの[global]セクションを以下のように変更します。

    security = domain
    encrypt passwords=yes
    workgroup = DOM
    password server = DOMPDC DOMBDC1 DOMBDC2


    ここで、DOMはNTドメイン名、DOMPDCはNTのプライマリ・ドメイン・サーバ名、DOMBDC1 DOMBDC2はバックアップ・ドメインコントローラ名です。
     (NTドメインに全Sambaユーザが登録してあるなら、/usr/local/samba/private/smbpasswdは作成する必要はありません)

従来のsecurity=serverとsecurity = domainの違い

以下の点では、security=serverとsecurity = domainは同じです。

security=serverとsecurity = domainの違いは以下です。


SWATのインストール方法

SWAT (Samba Web Administration Tool)を使うと以下のことがWebブラウザ経由でできるようになります。
SWAT デモページ

SWATインストール方法は以下の通りです。

  1. /etc/servicesの変更
    以下のエントリを追加します。

    swat 901/tcp
     
  2. /etc/inetd.confの変更
    以下のエントリを追加します。

    swat stream tcp nowait.400 root /usr/local/samba/bin/swat swat

    「パスワードなし」(テスト用)で起動する場合は、以下のエントリを追加します。

    swat stream tcp nowait.400 root /usr/local/samba/bin/swat swat -a

  3. inetd に HUP を送信
    inetd をリスタートする為に, inetd のプロセスに HUP を送信します。

    kill -HUP  (inetdのプロセス番号)

    inetdのプロセス番号は、ps -ef | grep inetd などで調べます。
    (psのオプションはOSによって異なります)

     

  4. Webブラウザからの接続

    Sambaサーバからは以下で接続します。
    http://localhost:901/

    Windowsクライアントからは、以下で接続します。
    http://Sambaマシン:901/

    パスワードを聞いてきたら、ユーザ名にroot、パスワードにrootのパスワードを入力します。

*注)SWATでは、TELNETやFTPと同じようにパスワードがネットワーク上をプレーン・テキストで流れます。
インターネットに公開するサーバでは、SWATを使用しない方がいいでしょう。
イントラネットで使用する場合も、TCP Wrapperなどでアクセス制限をしたほうがいいかもしれません。


小田切 耕司 odagiri@samba.gr.jp
http://www.samba.gr.jp/