[Chapter 4] 4.3 設定ファイルのオプション

4.3 設定ファイルのオプション

Samba には200以上の設定オプションがある。そのため、いくつかのオプションについて設定ファイルを修正しながらふれていくことで簡単に説明を行っていこう。

以前の章で述べたように、設定ファイルは静的なものではない。Samba が設定オプションを処理する際に、新たなオプションを追加したり既存のオプションを置き換えたりさせることができる。こうしたことを行うためのオプションが表 4.2にまとめられている。

表 4.2: 設定ファイルのオプション
オプション	パラメータ	機能	デフォルト	範囲
`config file`	文字列 (フルパス名)	現在の設定ファイルに代って使用するファイルの場所を指定する。	なし	グローバル
`include`	文字列 (フルパス名)	オプションが記述された場所に挿入される、設定オプションを記述したファイルの場所を指定する。	なし	グローバル(monyo 訳注: これは「共有」が正しいと思われる)
`copy`	文字列 (共有の名称)	現在の共有に、別の共有の設定オプションを複製する。	なし	共有

グローバルな config file オプションは、オプションが記述された時点で読み込まれる、代替の設定ファイルを指定する。指定されたファイルが存在する場合、現在の設定ファイルの残りの部分は無視される。Samba は新しいファイルのオプションを用いて自身を設定する。config file オプションが便利な場合としては、特定のマシンや接続してきたユーザに応じて特別な設定ファイルを読み込ませたいときがあげられる。

例えば、以下の行は Samba に接続してきたクライアントの NetBIOS 名に基づいた名前の設定ファイルがあれば、それを利用するような設定である。ファイルが存在した場合、オリジナルの設定ファイルで設定されたオプションは無視される。以下の例ではクライアントの NetBIOS 名に基づいた設定ファイル名が指定されている:

[global]
	config file = /usr/local/samba/lib/smb.conf.%m

指定された設定ファイルが存在しなかった時は、オプションは無視され、Samba は現在の設定ファイルを読み込み、引き続きそれに基づいた設定を行っていく。

4.3.2 include

このオプションは、既に詳細に説明したとおり、指定されたファイルを現在の設定ファイルの指定された位置に読み込ませるオプションである。その様子は図4.1のようになる。このオプションが便利な場合としてはこの章で既に説明したように、特定のマシンや接続してきたユーザに応じた設定オプションを読み込ませたい場合があげられる。このオプションは以下のようにして用いる:

[global]
	include = /usr/local/samba/lib/smb.conf.%m

指定された設定ファイルが存在しなかった時は、オプションは無視される。既に設定されているオプションは上書きされることに注意。図 4.1の場合、三つのオプション全てが既に設定されたオプションを上書きしている。

図 4.1: Samba 設定ファイルにおける include オプションの働き

include オプションは次の変数を認識しない%u (ユーザ)、%p (現在の共有のトップディレクトリ)、%s(monyo 訳注: %Sが正しい) (現在の共有) これらはファイルが読み込まれる時点では設定されていないためである。

4.3.3 copy

copy 設定オプションによって、現在の共有に対して指定した共有の設定を複製することが可能になる。複製元の共有は複製先の共有よりも前に設定ファイル中に存在している必要がある。例えば以下のようになる:

[template]
	writable = yes
	browsable = yes
	valid users = andy, dave, peter

[data]
	path = /usr/local/samba
	copy = template

copy コマンドが記述された共有に設定されたオプションは、複製元の共有の設定を上書きする。これは、copy コマンドが他のオプションより先にあるか後にあるかには関係しない。

Using Samba

4.3 設定ファイルのオプション

4.3.1 config file

4.3.2 include

図 4.1: Samba 設定ファイルにおける include オプションの働き

4.3.3 copy


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